INNOVATION

YAMATO Next 100 GRAND DESIGN

これまでの宅急便中心の戦略や経営システム、組織・風土が、お客さまや社会の期待・ニーズに応えられなくなってきたため、グループ全体として抜本的な改革が必要になりました。宅急便という収益基盤の安定化とEC、法人領域での新たな成長に向けた「3つの事業構造改革」と、その実現可能性と持続可能性を高める「3つの基盤構造改革」を推進します。
ヤマトグループは社会インフラの一員として、これからも社会の課題に正面から向き合い、 お客さまや社会のニーズに応える「新たな物流のエコシステム」を創出し、それによって次の時代も豊かな社会の創造に持続的な貢献を果たす企業になることを目指します。

3つの事業構造改革

(1)宅急便のデジタル
トランスフォーメーション

徹底したデータ分析と AIを活⽤し、需要と業務量予測の精度を上げることで、人員配置・配車・配車ルートの改善など、輸配送工程とオペレーション全体を最適化します。それにより、セールスドライバーがお客さまに対して、より多くの時間を費やし、ご提案やコミュニケーションを行える環境を整え、 集配の生産性を向上させます。
さらに、従来の仕分けプロセスを革新する独自のソーティング・システムやロボティクスの導⼊により、ネットワーク全体の仕分け生産性を4割向上させるなど、取扱個数の増減だけに影響されない、「宅急便」の安定的な収益基盤を強化します。

(2)ECエコシステムの確⽴

「産業のEC※1化」に特化した物流サービスの創出に取り組みます。外部の配送リソースと、ヤマトグループの拠点やデジタル基盤を融合。まとめ配達や配達距離の短縮、オープンロッカーや取扱店での受け取り、安心な指定場所配達などを通じて、EC事情者・購入者・運び手のそれぞれのニーズに応える、最適なEC向けラストマイルサービス※2を確立し、全国への展開を目指します。
また、あらゆる商取引のEC化に対応する統合受発注、輸配送、在庫管理、決済、返品などを一括管理できるオープンなデジタル・プラットフォームを構築し、2021年4月からの提供を目指します。EC事業者のサプライチェーンのスリム化や、輸配送のオープン化を通じて、社会のニーズに応えるECエコシステムを確立します。

  • ※1 EC(electronic commerce):電子商取引と訳され、インターネット上でモノやサービスを売買すること全般を指す。
  • ※2 まとめ配達や配送距離の短縮化、オープンロッカーや取扱店での受け取り、時間帯・場所指定の配達などを指す。

(3)法人向け事業の強化

ヤマトグループ内の専門人財、流通機能やソーティング・システム※1などの物流機能、物流拠点を結ぶ幹線ネットワークなど、法人向けの経営資源を結集し、お客さまの立場に立ったアカウントマネジメント※2を推進します。そのためのデータ基盤として、「ヤマトデジタルプラットフォーム(YDP:Yamato Digital Platform)」を構築し、精度の高いリアルタイムの情報を軸とした、法人向け物流ソリューションの提案力を強化します。また、製造業や流通業など、販売物流や静脈物流に課題を持つ法人企業の生産・調達から納品・検品、請求・支払に至る、サプライチェーン全体を最適化するソリューションの開発に注力します。

  • ※1 物品を品種別、送り先方面別、顧客別などに仕分けるシステムのこと。
  • ※2 大手向けの法人営業で、注力する顧客企業に対して組織立った管理を行うこと。

3つの基盤構造改革

(1)グループ経営体制の刷新

経営のスピードを速め、より実効性の高いソリューションを提供するために、2021年4⽉より、グループ経営体制を刷新し、4事業本部と4機能本部へと再編します。事業本部は、お客さまに向き合い付加価値を提供する組織体で、機能本部は、競争優位の源泉となる機能を磨き上げる組織体です。経営の監督と執行の分離を明確にすることで、ガバナンスの強化を図り、企業価値を向上させていきます。

(2)データ・ドリブン経営への転換

今後4年間で、デジタル分野に約1,000億円を投資する予定です。また、社内外のデジタル・IT人財を結集し、300人規模の新組織を立ち上げ、5つのアクションを実行し、短期での成果を狙います。さらに、50億円規模のベンチャーキャピタルを立ち上げ、オープンイノベーションを加速させます。

  • データドリブン経営による予測に基づいた意思決定と施策の実施
  • アカウントマネジメント強化に向けた法人顧客データの統合
  • 流動のリアルタイム把握によるサービスレベルの向上
  • 稼働の⾒える化、原価の⾒える化によるリソース配置の最適化・⾼度化
  • 最先端のテクノロジーを取り⼊れたYDPの構築、および基幹システムの刷新への着⼿

(3)サステナビリティの取り組み~環境と社会を組み込んだ経営~

ヤマトグループは、持続可能な未来を切り拓く将来の姿として、「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない” ※1社会の実現への貢献」の2つのビジョンを掲げています。人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指します。そして、フェアな事業や多様なパートナーとの共創により、リーディングカンパニーとして社会課題を解決していきます。
2050年までにCO2排出量実質ゼロ※2に挑戦し、持続可能な資源の利⽤・消費モデルを創造し、強くスマートな社会を支えます。

  • ※1 「誰⼀⼈取り残さない」は持続可能な開発目標(SDGs)の基本理念。
  • ※2 自社の排出:Scope1(直接排出)とScope2(電気等の使用に伴う間接排出)。

つなぐ、未来を届ける、グリーン物流

重要課題

  • エネルギー・気候

優先事項

  • CO2実質ゼロ

目標

  • 2050年実質排出ゼロ※1

創出する価値

  • 再生可能エネルギーの利用機会拡大
  • 自然災害などの気候リスク緩和
  • 革新的な低炭素技術の普及
  • 低炭素商品の利用可能性拡大

※1 自社の排出:Scope1(直接排出)とScope2(電気などの使用に伴う間接排出)

重要課題

  • 大気

優先事項

  • きれいな空を守る物流

目標

  • 自動車の大気汚物質削減
    (都市宅配のNOx, PM減)

創出する価値

  • 大気汚染防止による地域の健康に貢献
  • データを活用した効率輸送による渋滞緩和

重要課題

  • 資源循環・廣棄物

優先事項

  • 資源を大切にする物流・事業

目標

  • 環境に配慮した資材使用・リターナブル・個包レス輸送への移行

創出する価値

  • 資源循環ネットワークの創出による資源循環型社会への移行
  • シェアリングによる効率性・経済性向上

重要課題

  • 社会と企業のレジリエンス

優先事項

  • 環境とともに生きる社会をリードする物流インフラ

目標

  • 環境変化に負けない協働の強化

創出する価値

  • 持続可能な社会を創る連携基盤構築
  • 気候変動に対する社会のレジリエンス向上
  • スマートモビリティによる社会の低炭素化促進

共創による、フェアで、誰一人取り残さない※2社会の実現への貢献※2 「誰一人取り残さない」=SDGsの基本理念

重要課題

  • 労働

優先事項

  • フェアで働きやすく仕事への誇りを感じられる労働環境の構築

目標

  • 2030年までに働きやすく誇りを感じられる職場の実現によりディーセント・ワーク※3の達成に貢献

創出する価値

  • 社員のワークライフ·バランスの実現
  • 社員の身体的、精神的に健康な生活
  • 通切な労働力確保、安定的な事業継続
  • 業界における望ましい労働モデルの提示

※3 ディーセント・ワーク=働きがいのある、人間らしい仕事。ILO(国際労働機関)が掲げる目標で、SDGsや日本政府の戦略にも盛り込まれている。

重要課題

  • 人権·ダイバーシティ

優先事項

  • 人権を尊重し多様性を認め合う活気ある社会づくり

目標

  • 社会的に弱い立場の人々のエンパワメントの向上

創出する価値

  • 人権侵害のない社会の構築
  • 多様な発想によるイノベーションの創出
  • 女性や障がい者などの多様な雇用機会の創出
  • 社会的格差、障害の解消・低減

重要課題

  • 安全·安心

優先事項

  • 交通·労働の安全および品質向上の確保

目標

  • 交通事故や労働災害を大幅に低滅できる事業プロセスの構築

創出する価値

  • 安全な街づくり
  • 社員の人命·健康の確保
  • 安心で豊かな生活の提供

重要課題

  • データ活用·セキュリティ

優先事項

  • 堅牢な情報セキュリティの確保と多様な車両データなどの社会的な活用

目標

  • データ活用によるCSVの創出

創出する価値

  • 個人情報の保護(人権の尊重)
  • 環境·社会に関する課題の解決

重要課題

  • サブライチェーンマネジメント

優先事項

  • 環境や社会に配慮したレジリエンスでサステナブルなサブライチェーン

目標

  • 健全でレジリエンスなサプライチェーンと価値共創モデルを構築

創出する価値

  • 適切かつ安定的な事業継続
  • レビュテーションリスクの緩和
  • 環境配慮効果における相乗効果
  • 効率的で健康的な労働モデルの創出

重要課題

  • 地域コミュニティ

優先事項

  • 共創による経済的精神的に豊かな地域づくり

目標

  • 地域経済の活性化を加速させるビジネスモデルの構築

創出する価値

  • 地域経済の活性化
  • 地方創生を通じた日本の国際競争力の向上
  • 持続可能な社会のための共創基盤の構築

数値目標