PERSON

現場の品質や生産性の向上を見据え、
「ロボティクス化」が求められている。

ヤマト運輸(株)
輸配送統括
輸送ネットワーク設計部
輸送調達プロセス構築チーム
アシスタントマネージャー
2009年入社 法学部法律学科卒

石田 啓志

Takashi Ishida

※所属部署・役職は2022年10月当時のものとなります。

PROFILE物流業界を中心に就活を進める中で、ヤマトグループの「お客様第一主義」「現場第一主義」という理念に感銘し、入社を決めた。入社後、長崎北支店で営業所内業務、集配などに従事。その後長崎主管支店で営業企画や業務改革の仕事を担当。2014年、九州支社でベース部門の管理を経て、2016年、本社に異動。ネットワーク戦略部でベース輸送管理を担当。2019年3月、市川ベース店の立ち上げに参加。その後ベース店での管理業務を経験したのち、輸送ネットワーク設計部にてアシスタントマネージャーとして従事する。

全国から集約した荷物を仕分けするベース店。
遅れることなく間違いなく営業所に届ける。

ヤマトグループが提供する宅配サービスの第一線の仕事は、「ラストワンマイル」と呼ばれ、配送を行う営業所からお客さまへ荷物をお届けする業務です。その前工程として、全国から送られてきた荷物を一時的に集約し、荷物の種類、内容や配送先などによる仕分けが必要になります。この役割を担う機能をヤマトグループでは「ベース店」と呼んでいます。私は最も新しいベース店である市川ベース店の立ち上げに参加し、店長を補佐する立場として、店舗のマネジメントを担当しました。今年2021年10月に新たに新設された川口領家ベースの立ち上げにも参加し、現在そこでマネジメントを担当しています。
川口領家ベース店の担当エリアは、埼玉県・川口市と、東京都・北区、荒川区、足立区。このエリアにある約80の営業所に向けて、日々全国から届いた荷物を仕分けし、届けています。ベース店の基本的なミッションは、お客さまから預かった荷物を、遅れることなく間違いなく、確実に営業所に届けること。ベース店が営業所へ荷物を届けるという関係から、我々のお客さまは営業所であり、どうすれば営業所に満足してもらえるかを試行錯誤しながら実行しています。言うまでもなく、営業所の満足と円滑な稼働が、お客さまの満足へとつながってくるのです。

求められた仕分けにおける高い品質。
ヒューマンエラー多発という大きな課題。

前の配属先である市川ベース店は、オープン直後から大きな課題に突き当たりました。それは品質確保の問題です。ベース店における品質確保とは、正確な仕分けと時間厳守を徹底することです。仕分けと時間は表裏一体の関係にあります。仕分けに過ちが生じると、それを是正するために時間と手間が取られ、結果として、遅配、あるいは誤配などが生じ、お客さまの約束の時間に荷物を届けられない事態になりかねません。
仕分けの過ちの主な要因はヒューマンエラーです。ヒューマンエラーを各ベース店で減らすためのする取り組みが進められており、市川ベース店では他店に先駆けて、最新のオートメーションを導入しました。しかし荷物の形状などによっては機械に頼ることができず、どうしても人が仕分ける部分があります。その際にヒューマンエラーが発生し、オープン当時は全国のベース店の中でのワーストレベルの状況でした。作業者に外国人が多いため、日本語の理解が追いつかず、現場の流れをしっかりと理解できていなかったことが原因でした。いかにしてヒューマンエラーをなくすかが、市川ベース店の大きな課題であり、私にとって喫緊の解決すべきテーマとなったのです。

外国人労働者を根気よく指導する取り組み。
品質改善の手応えの中にあるやりがい。

日本語に不慣れな外国人に対して、作業の流れと段取りを正確に理解してもらい、荷物を色や記号で区別するなど、仕分けしやすい工夫を随所に施しました。またデータ分析から、エラーを起こした人を特定し通訳を介してヒアリングし、根気よく重点的に教育するなど、ヒューマンエラーを減らすために努めました。外国人の中でも日本語に堪能で作業を理解している人をリーダーに据え、コミュニケーションの円滑化も図りました。

そうした取り組みで、オープン時に比べて品質は大きく改善しつつあります。その中にやりがいの実感もあります。ヒューマンエラーによる品質悪化の防止のためには、モチベーションを保てる職場環境の改善に加えて、ロボティクス化による省人化は不可欠です。市川ベース店はオートメーション化が進んでいますが、それでも自動化は仕分けオペレーション全体の60%程度。ロボティクスは品質確保のみならず生産性向上にも有効です。省人化に向けたソリューションとして、ロボティクス化の必要性の声を上げていきたいと考えています。

今は本社の「輸送ネットワーク設計部」という部署で、ベース店が担う全国輸送ネットワークを宅配市場の変化に適合した形にする為に、拠点や機能、輸送方法の再設計を行い、品質とコストの最適化を図る業務を担っております。その中でも「幹線再構築」というチーム名にあるように、全国約80店のベースを結ぶ幹線ネットワークを見直し、様々な輸送手段を検討し品質とコスト両面の最適化を図ることが専門の業務となります。

これまで所属していたベースではお客様との約束を守るという視点から仕分け品質と時間の遵守に重きをおいて仕事をしてきました。決められた時間を守るための作業設計はもちろん、ベースの手前の工程である営業所での仕分け作業、その前の集荷先からの輸送時間を見直すことも大切になります。関係する部署との連携や協議を深め試行錯誤を繰り返すことで業務の安定化へと繋げることができ、作業時間が安定することで業務の繁閑が無くなり、コストの最適化にも繋がっていくことも実感しました。これからは広い視野で約80店のベース店の品質、作業時間を平準化出来るように目指していきます。現場で培った考え方やノウハウをベース店へ浸透させるとともに、新たなノウハウを学びながら、全国の幹線ネットワークの最適化を進めていきたいと考えております。
One Day Schedule
08:30
出勤 前日運行状況、メールの確認、返信
10:00
部内打ち合わせ等
12:00
ランチタイム
13:00
資料作成、整理等
15:00
関係部署打合せ等
17:00
その他事務仕事の整理
18:30
退勤