YAMATO Next 100 GRAND DESIGN

「Oneヤマト2023」は、2021年4月に8社の事業が統合した新生ヤマト運輸を中核とするワンヤマト体制のもと、生活様式の変化と、それに伴う流通構造の変化に対応するサプライチェーンの変革に向け、個人、法人、地域のお客さま、そして社会のニーズに総合的な価値提供を目指す中期経営計画です。 2024年3月期の数値目標は、営業収益2兆円、営業利益1,200億円(営業利益率6%)、ROE10%以上とします。

個人・法人両面でのベストパートナーへ​

※上記の組織図内の矢印を押すと
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「Oneヤマト2023」
9つの重点施策

(1)データ分析に基づく
経営資源の最適配置

データ基盤整備とアルゴリズム開発の高度化により、各地域の需要と業務量予測の精度を向上させます。多様化するお客さまのニーズに応えるために、グループ経営資源の最適配置を進めていきます。
幹線輸送の最適化と標準化に加え、各拠点の人員・車両の適正配置、作業のオペレーション改革、自動化・デジタル化により、お客さまと向き合う時間や接点、集配対応力を拡大。ネットワーク全体の生産性向上を実現していきます。

(2)グループインフラの強靭化

1.拠点の再配置と機能拡充による
価値提供の強化と、生産性の向上

営業倉庫約110拠点、ベース(仕分けターミナル)77拠点、宅急便センター約3,700拠点など、グループ各社が全国に保有する集配拠点をネットワーク上に再配置し、さらに各拠点の機能を統合、増強します。
仕分け拠点は、集配の作業集約による拠点間輸送の削減と各拠点の自動化に加え、フルフィルメント機能を有する新たな拠点を配置することで、機能強化と生産性向上を実現。ネットワーク上の仕分け能力を最大約1.5倍(2021年3月期比)に拡大させます。

2.輸送機能の最適化、多機能化と、
オープンな配送ネットワークの拡充

グループ各社が保有する幹線・ミドルマイル・ラストマイルの輸送機能をネットワーク上に再配置し、輸配送工程のさらなる全体最適化を図ります。また、小~中ロットの多頻度集配に対応する域内ネットワークと、独自のTMS(Transport Management System)の開発により、地域ごとの多様なニーズに応える輸送機能を拡充します。
さらに、パートナーへのサポート体制の拡充を目指します。EC利用者の多様な受け取りニーズに対応する「EAZY CREW」など、パートナーとの連携をさらに拡大するため、集配支援ツールの高機能化、ドライバー向けポータルサイトの構築、リース車両の提供、そして安全研修や福利厚生の充実を推進します。

3.業務プロセス改革(BPR)の推進

第一線の社員がお客さまとしっかり向き合う時間と接点を創出するため、プロフェッショナルサービス機能本部を中心に、管理・間接業務の標準化や電子化による業務効率を推進します。
さらに、共同調達・購買をグループで一元化することで、コストの適正化を実現し、第一線の管理・間接業務を約4割(2021年3月期比)削減します。

(3)サプライチェーンを
トータルに支援する、
ビジネスパートナーへの進化

1.上流から下流まで、
サプライチェーン全体にわたる
価値提供の強化

サプライヤー・メーカーから店舗・生活者までのサプライチェーンを、トータルに支援するビジネスパートナーを目指します。そのために、全国の営業倉庫・拠点・幹線・ミドルマイル・ラストマイル、および新たな域内輸送機能をシームレスに結合し、デジタル情報による可視化を実現します。消費地に近い拠点に商材を一括輸送し、域内の需要に応じた小~中ロットの店舗納品にスピーディーに対応することで、欠品による店舗の販売機会ロス削減や総在庫の偏在を抑制します。それによって、法人のお客さまの売上げの最大化と、サプライチェーンのスリム化、キャッシュフローの改善に貢献します。
クロスボーダー領域では、輸出入するECなどの小口貨物、一般貨物の発注情報、出荷・到着予定情報、通関関連情報など、グローバルサプライチェーン上のすべての情報をデジダル化、可視化します。国内・海外のネットワークをスムーズに結節し、フルフィルメント機能の活用による在庫の最小化やリードタイムの最適化など、高度なソリューションを提供します。

2.お客さまに向き合う
法人部門の一体運営

第一線からのお客さまのニーズをスピーディーに収集、集約し、質の高い提案に結びつけるため、「法人ソリューションコントロールセンター」を新設しました。情報集約からデータ分析、課題抽出をはじめ、各機能本部が開発するソリューション、サービス、マーケティングを一元的にマネジメント。それによって、第一線の営業担当者の提案活動を支援し、法人のお客さまに常に最適な提案ができる体制を構築します。

(4)「 ECエコシステム」の
最適解の創出

加速する「全産業のEC化」に向け、事業者、運び手、生活者が共にメリットを享受できる、持続的な「ECエコシステム」への取り組みをさらに強化します。 事業者には、在庫・事務コストを最小化するサプライチェーンの上流における価値提供に加え、ライブコマースなど新たな販売チャネルの創出や、実店舗のEC化支援など、サポート体制を充実させます。
運び手には、EAZY CREWのネットワークをさらに拡充し、デジタルを活用した集配ツールを充実させて、「運ぶ」を効率化する支援を強化します。
買い手となる生活者には、EAZYのリアルタイムトラッキングやダイナミックプライシングの導入、スマホで受け取れる店舗の拡大など、デジタルを活用した新たな顧客体験を提案します。さらに、5,000万人を超えるクロネコメンバーズ会員をはじめとするお客さま・生産者・店舗、あるいは130万社を超えるヤマトビジネスメンバーズ会員をつなぐ仕組みなどを通じて、「新たな“運ぶ”」を創り、お客さまとのさらなるエンゲージメント強化を進めます。

(5)データ戦略、
イノベーション戦略の推進

「デジタルデータ経営」のさらなる高度化と精緻化に向け、デジタルデータ整備およびデジタル基盤の拡充を進めます。最新テクノロジーを活用したデータ取得の仕組みや、クラウド技術を中心とした「Yamato Digital Platform」を拡充し、9つの重点施策をデジタル面から支えます。
また、2020年4月に創設した「KURONEKO Innovation Fund」をはじめ、スタートアップ企業の発掘と連携、新規事業創出への投資など、新しいビジネスを創るオープンイノベーションをさらに強力に推進します。

(6)経営体制の刷新と
ガバナンスの強化

2021年4月に、「Oneヤマト」経営体制に刷新しました。ヤマト運輸とグループ会社7社を統合し、2部門(リテール部門・法人部門)を構成する4つの事業本部(リテール、法人、グローバルSCM、EC)と、4つの機能本部(輸送機能、デジタル機能、プラットフォーム機能、プロフェッショナルサービス機能)、およびコーポレートからなる新たな経営体制です。統合後の新「ヤマト運輸株式会社」を中核会社とし、意思決定のスピードを重視したガバナンスを構築します。

(7)「運創業」を支える
人事戦略の推進

新たな経営体制において、①第一線の社員一人ひとりの役割を明確化し、評価できる制度、②事業本部、機能本部でグループをリードする専門人材が育成され、高いパフォーマンスを発揮できる人事制度に刷新します。また、社員が学び、成長するための教育専門組織「クロネコアカデミー」を新設し、組織力の強化と専門人材の育成を図ります。
さらにデジタル教育プログラムを充実し、経営層を含む全社員のデジタルリテラシーの底上げと、デジタル人材の早期育成を目指します。

(8)資本効率の向上

事業成長とコスト構造の改革を進めて、財務戦略との両輪で、より資本効率を重視する経営に取り組みます。成長性(営業収益)と収益性(営業利益率)および、財務の健全性(キャッシュ創出状況、保有現預金、自己資本比率の水準)、投資の進捗状況、資本効率などを踏まえて、安定的な配当を基本とした、適時適切な資本政策により、株主価値向上を実現します。具体的には、ROE10%以上(2024年3月期)、配当性向30%以上、総還元性向50%以上(2021年3月期~2024年3月期までの累計)を目指します。

(9)サステナブル経営の強化

持続可能な未来を切り拓く将来の姿として、2つのビジョンを掲げました。
・環境ビジョン 「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」
・社会ビジョン 「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」
環境と社会を組み込んだ経営を実行するため、2024年3月期の中期計画と目標を策定しました。各施策を事業活動の中で遂行することにより、社会と事業の持続可能な発展を目指します。

サステナブル中期計画2023【環境・社会】

詳細は、こちらをご参照ください。

環境中期計画2023

事業活動の環境負荷を抜本的に減らすために、総量目標や資材、車など、物流業界として革新技術の普及に貢献できる分野についても目標を定めました。多様なパートナーと協働した取り組みやビジネス機会も目標対象として、お客さまやパートナー、地域社会のレジリエンスを高め、環境価値を生み出していきます。

動き出す、
「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」。
一人ひとりが主役のヤマト環境変革

エネルギー・気候

気候変動を緩和する
環境マネジメントの強化
  • 温室効果ガス(GHG)排出量
    2021年3月期比10%削減*1
  • GHG排出原単位
    2021年3月期比10%削減*2
  • 再生可能エネルギー由来電力
    30%使用
関連するSDGs
SDGs7 SDGs9 SDGs13

大気

空をきれいにする(大気汚染防止)
環境マネジメントの強化
  • 自動車NOx・PM排出量
    2021年3月期比25%削減*3
  • 大気汚染物質排出が少ない
    自動車の導入
関連するSDGs
SDGs3 SDGs9 SDGs11 SDGs12

資源循環・廃棄物

資源循環を進める、廃棄物を減らす
環境マネジメントの強化
  • 紙材における再生可能資源や再生材の利用55%*4
  • 埋立処分率5%以下*5
  • 再生材を使用した商品や省資源の資材の提供
関連するSDGs
SDGs3 SDGs6 SDGs9 SDGs11 SDGs12 SDGs15 SDGs17

社会と企業のレジリエンス

環境変化に負けない社会を支え
環境マネジメントの強化
  • パートナーと協働したグリーン物流
  • 社会と連携した環境レジリエンスの向上
  • 環境商品/サービスの提供
関連するSDGs
SDGs9 SDGs11 SDGs12 SDGs13 SDGs15 SDGs17

*1:国内連結および(株)スワンの自社排出(Scope1とScope2)。*2:範囲は*1と同じ。tCO2e/営業収益1億円。
*3:範囲はヤマト運輸(株)。*4:紙材は、荷造り用ダンボールや集配用資材等。*5:従来比半減相当。

社会中期計画2023

事業活動を通して豊かな社会を実現するために、国際的な基準やニーズに応える取り組みを計画に組み込みました。労働や人権も目標の対象とし、多様な人材の尊重や社員が活躍できる職場環境の整備に努めます。また、サプライチェーンや地域と共に、社会課題の解決に取り組みます。

共創による、フェアで、
“誰一人取り残さない”
社会の実現への貢献

労働

社員が生き生きと活躍できる職場環境をつくる
  • 社員1人当たり営業収益の向上
    (仕事の高付加価値化)
  • 社員1人当たり残業時間
    2021年3月期比20%削減
  • 有給休暇取得率90%
    (ワーク・ライフ・バランスの実現)
関連するSDGs
SDGs3 SDGs4 SDGs8

人権・ダイバーシティ

人権尊重の企業風土をつくる、多様性を尊重する
  • 全社員(フルタイマー)の
    人権教育受講率100%
  • 障がい者雇用率2.5%
  • 女性管理職(役職者)数
    2021年3月期比2倍/女性管理者比率10%
関連するSDGs
SDGs5 SDGs8 SDGs10 SDGs16

安全・安心

安全・安心な事業活動が行える仕組みをつくる
  • 重大交通事故(有責死亡交通事故)件数0件
  • 交通事故(対人事故)件数
    2020年3月期比50%削減
  • 重大労働災害(死亡労働災害)件数0件
  • 休業災害度数率
    2020年3月期比20%削減
関連するSDGs
SDGs3 SDGs8 SDGs9 SDGs10 SDGs11 SDGs12

データ活用・セキュリティ

情報セキュリティの基盤をつくる
  • データを活用した社会課題解決ビジネス創出に向けた基盤の構築完了
  • 情報セキュリティ重大事故0件
  • 主要組織における情報セキュリティ管理者の配置100%および管理者に対する専門教育の実施100%
関連するSDGs
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サプライチェーンマネジメント

ステークホルダーとの共通認識を形成する
  • モニタリングの仕組み構築および実証完了
関連するSDGs
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地域コミュニティ

地域に根差した企業市民活動を行う、ビジネス創出のための仕組みをつくる
  • 企業市民活動および
    社会課題解決ビジネスの
    効果測定の仕組み構築完了
関連するSDGs
SDGs3 SDGs4 SDGs8 SDGs9 SDGs10 SDGs11 SDGs12 SDGs17

*1:100万延べ実労働時間当たりの、休業1日以上又は身体の一部若しくは機能を失う労災による死傷者数

数値目標

投資計画

9つの重点施策を着実に実行するため、事業継続に必要な車両、施設、機器等のメンテナンスなどの経常投資2,000億円に加え、基幹システムの刷新、データ整備・基盤強化、EAZYの機能拡張などのデジタル投資に1,000億円、物流オペレーションの自動化、拠点設置などの建物に500億円、荷役機器などに500億円の計2,000億円の成長投資をプラスし、3年間で合計4,000億円の投資を実施します。